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ごらんになりましたか

つれづれにまんが 松田奈緒子ーレタスバーガープリーズ.OK,OK!

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たまにさ、こういうさ、身とか削ったような苦し気な、でも描いてるという行為が嬉しそうなさ、そういう漫画を読みたくなる。読んでたのしくて、読めることがとてもうれしい。

 

もうさ、こちとらは、少女漫画読んで架空の誰かとともだちになったりはなかなかできなくて、だから描いてる人に、感情移入してしまう。

その試行錯誤の様子とか、30~35歳で紡ぐ物語とか。時代思い出して、想像して。

『レタスバーガープリーズ.OK, OK!』、全力感があって、いい。絵がさ、ばらばらなんだけど、主たるストーリー以外の周辺のことまで細かく描かれている。あたらしいことやろうとして、頭の中も絵柄も読んできた漫画もごっちゃになって、でも地べた這ってでも進んでく、絵でやるものがたりの勢い。

 

松田奈緒子はたしかわたし、『少女漫画』が好みだった。『重版出来!』ドラマになってるんだね。おかげでレタス‥を手にするきっかけになりました。

『少女漫画』は、覆面少女漫画家の話が、ちょうベタなんだけど、すごくすきだった。オスカルのやつももちろんすきだし。

 

波よ聞いてくれ」でもおもってしまったのだけど、シゲタカヨコのパワーてすごい。あのこはほんとに、まるで時代そのものみたいになっちまった。アヤとかミナレちゃんのほうが、わたしあのこすきって表明しやすいキャラクターな気がするけど、カヨコは今振り返ってもう断然トップでヤバい。『ハッピーマニア』は、あのノリは、ねぇ。

そこからさ、その先でさ、漫画家それぞれの個性がでてる感じがおもしろい。似てるとこあるから作家性際立つ。ミナレ描いてたのになぜか謎グロホラーになってしまう沙村広明とか、アヤ描いてるけど群像劇で読者にこたえてく松田奈緒子とか。

 

漫画はさ、一人で作業しているようでぜんぜん、「みんな」でつくってるところが面白い。会社の人とか読んでる人とか取材先とか社会ってのとか、そのときそのひとたちの「欲望」でつくられているところが。

 

 

 

未来社『南欧怪談三題』西本晃二編訳、とてもおもしろかった。ランペドゥーザ「鮫女」、A・フランス「亡者のお弥撒」、メリメ「ヰギエの女神」。

西欧キリスト教の世界観の中追いやられていく怪談話。おしこめられていじけて、豊かさを失ってまた回復していく、怪談話の不思議さの取り扱われ方の、地域性と時間軸から見た有様。理性もルネサンスも素晴らしいけれどやはり限られた存在でしかない人間と、不思議と理不尽あふれる外界との付き合いを、どのように表現することが「許されるか」。八雲がさ、日本にあこがれたのは、そういうことがあるのかと腑に落ちた。